人気ブログランキング | 話題のタグを見る

部品リスト(BOM)出力不具合を解決する

当記事は、プロジェクトが "c:\Program Files\kicad\user" に置かれている事を前提に書いています。
その後、twitter上の情報で、
プロジェクトを半角スペースを含まないフォルダに置く事で回避できるとわかりました。
あえて消去せず残しておきますが、あくまでも参考という事でご了承下さい。2015.9.23追記



さて前回 KiCad 4.0.0 RC1 をインストールしてみたわけですが、実を言いますとここ数週間前から安定版を待ちきれずに最新版を使っていました。そこで見つけた不具合と解決法を残しておきます。

この不具合は私の現在の環境 (Windows XP + KiCad 4.0.0 RC1) でも確認しています。


Eeschema には部品表 (BOM) を生成する機能があります。
まずは "部品表の生成" のアイコンをクリック。

部品リスト(BOM)出力不具合を解決する_a0174077_04103120.png

これを初めて開いたときはこのように空欄ばかりです。試しに "生成" をクリックするとプロジェクトフォルダ内に .xml のファイルが作られます。これは中間ネットリストファイルです。開いてみるとわかりますが XML で書かれたもので、おおよそ「部品表」とは言えないものです。

これを人間にわかりやすい部品表に変更するツールがプラグインで、これを追加する必要がでてくる訳です。

もうちょっと正確に言えば、後述する xsltproc.exe (XSLTのコマンドラインプロセッサ) にプラグイン (XSLスタイルシート) を使って中間ファイル (XMLファイル) を変換する、という感じでしょう。(良くわかっていませんが。)

そこで今度は "プラグインの追加" をクリックします。

部品リスト(BOM)出力不具合を解決する_a0174077_04111326.png

KiCad フォルダの "\bin" 以下が表示されます。一番最初の "scripting"、さらにその中の "plugins" フォルダを選びます。

部品リスト(BOM)出力不具合を解決する_a0174077_04185505.png

ここでは "bom2csv" を選んで "開く" をクリックします。

部品リスト(BOM)出力不具合を解決する_a0174077_04191530.png

プラグイン名を聞いてきますが、そのまま "OK" します。

部品リスト(BOM)出力不具合を解決する_a0174077_04195813.png

これで "bom2csvプラグイン" が登録されました。
このプラグインは説明にあるように Reference, Value, Footprint, Datasheetなど をcsv形式で羅列するものです。

再び"生成"。

部品リスト(BOM)出力不具合を解決する_a0174077_04202261.png

あれれ、"コマンドエラー,リターンコード11" と出ています。
フォルダを確認しても新しいファイルは何も作られていません。

どうやら私の環境では xsltproc.exe が正常に動作しないようなのです。

部品リスト(BOM)出力不具合を解決する_a0174077_01311924.png

参考までにこの xsltproc.exe のバージョンを確認しておきます。コマンドプロンプトを開き、"xsltproc -V" で確認できます。


私と同じ境遇の方(笑)は以下の方法を試してみてください。この不具合が解消するはずです。


.dll ファイルをいじるので、一旦 KiCad は終了しましょう。

ここではThe XML C parser and toolkit of Gnomeのコンパイル済みパッケージを使いました。
まずここにある、

iconv-1.9.2.win32.zip
libxml2-2.7.8.win32.zip
libxslt-1.1.26.win32.zip
zlib-1.2.5.win32.zip

の4つのファイルをダウンロードします。

KiCad フォルダの "\bin" 以下にある、

xsltproc.exe
zlib1.dll
libexslt-0.dll
libxml2-2.dll
libxslt-1.dll

の代わりに、

iconv-1.9.2.win32.zip の \bin\iconv.dll
libxml2-2.7.8.win32.zip の \bin\libxml2.dll
libxslt-1.1.26.win32.zip の \bin 内全て ( libexslt.dll、libxslt.dll、xsltproc.exe )
zlib-1.2.5.win32.zip の \bin\zlib1.dll

の6つのファイルを KiCad フォルダの "\bin" に移動します。(色々考えず、単純に上書きで良いでしょう)


ちゃんと動作するか確認します。
再び Eeschema を起動して "部品表の生成" のアイコンをクリック。

部品リスト(BOM)出力不具合を解決する_a0174077_04210696.png

今度は先ほど追加した bom2csv がそのままありますので "生成" 一発です。

部品リスト(BOM)出力不具合を解決する_a0174077_04212569.png

やりました "成功" です!

しかし、どういうわけか %O で指定されている出力ファイルの拡張子が無視されるようです。
"コマンドライン"の最初の "%O" を "%O.csv" と書き換えると .csv として出力します。

部品リスト(BOM)出力不具合を解決する_a0174077_01541278.png

最後に置き換えた xsltproc.exe のバージョンを確認しておきます。これもコマンドプロンプトを開き、"xsltproc -V" で確認できます。
ちょっと古いようです(笑)。でも、動くだけ良いでしょう。

by tri-chrome | 2015-09-15 01:55 | KiCad
<< Githubのフットプリントラ... KiCad version 4... >>